Isabella Stefanelli 20AW Virginia 手織りツイードグレンチェックコートです。ブランドのシグネチャー的ポジションにあり毎シーズンマイナーチェンジを繰り返しながら展開されているモデル「Virginia」。こちらのVirginiaというネーミングはイギリスの小説家 Virginia Woolf(ヴァージニアウルフ)から取られています。9回目となった20AWのテーマは「Sunset at 16:15」。この「16:15」は、とある冬の日の英国の日の入りの時刻です。こちらのVirginiaに使用された手織り生地はStariseと銘打たれ、英国で手機織機による織物を作り続けるBristol Weaving Mill社が製造。朝陽（サンライズ）・夕陽（サンセット）・夕闇（トワイライト）の色彩を英国の伝統的なグレンチェック柄で3色の糸を使用し表現しています。自ら生地の開発を行い既製品を使用しない為、Isabella Stefanelliの製品以外にこれらの生地が使用された洋服は存在しません。パターンも非常にユニークで、地の目の方向に対し生地を平行(要するに縦向き)に使用することが一般的ですが、Isabella Stefanelliの製品の多くは生地を「横向き」に使用しています。生地を横向きに使用することで裾や袖口に当たる部分に生地の「耳(セルヴィッジ)」がくるよう計算し無縫製のままで仕上げています。縫製箇所が非常に少ない為、手織りという希少なファブリックをそのまま纏っているような一着に仕上がっています。ボタンホールは生地に切り込みを入れず、織り目を拡げてかがることで生地への負担を最大限に少なくしています。殆どの箇所が手仕事で仕上げられている一方で、肩・腕まわりはというとマシンソーイングとハンドソーイングを使い分けて縫製。ミシン縫いによりアームをシングルステッチで縫い付けた後、余った縫い代をハンドによるまつり縫いで留めています。ミシン縫いの箇所にはMara社製70番ポリエステル糸を使用。このポリエステル糸は本来登山用のアイテムなどに使われるもので、鋭利な刃物を用いないと絶対に切ることが出来ないほど強靭と言われています。この「切れない糸」は生地に使用される繊維よりも強度を持ってしまう為かえって破れやすくなることもあり、それを緩和する為に糸調子をコントロールできる手縫いでもう一方の余った縫い代を仕上げています。大量生産が不可能で、プロパーではECでの販売も禁止されている為、流通量が非常に少なく希少な一着。僅かに使用感はあるかと思いますが、目立った傷や汚れもなくまだまだお使いいただけます。