A1923 A DICIANNOVEVENTITRE A1
こんにちは。charlieです。
先日入荷致しましたA1923(A DICIANNOVEVENTITRE)のシューズ A1。
新入荷商品を個人的なアカウントのストーリーズで先に流していますが、そちらをご覧いただいた古くから通ってくれている顧客様のもとへと既に旅立ちました。
しかし記録として残しておこうと思います。
A1923 (A DICIANNOVEVENTITRE)
A1
(売れてしまった後に気付きましたが写真がピンボケでした。。)
このブランド、A1923と書いてA DICIANNOVEVENTITRE(ディチアーノヴェヴェンチトール)と読みます。
古くから馴染みの方にはAUGUSTA(オーガスタ)とも呼ばれていますね。
A1923と書きなぜこのように読むかというと、数字をイタリア語で読んだとき 19(ディチァンノーヴェ) 23(ヴェンティトレ)と発音します。従ってこのように読みます。
ブランド名が AUGUSTA → A DICIANNOVEVENTITRE → A1923 といった変遷を辿っているので古くから馴染みの方にはオーガスタと呼ばれています。
この「AUGUSTA」という名前は、ブランドを手掛けるSimone Cecchetto氏の祖母の名前から取られています。
一般的なダービーシューズなどと比較し、履き口やヒールがやや高めに設定されています。
この写真を見てなにか違和感を覚えた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
こういった短靴に限らず、一般的に靴はアッパーや羽根といった何枚かのパーツを縫い合わせて構成されます。
例えばこの靴なんかはそうですね。
Alden 80’s EEZEE’S別注 プレーントゥシューズ 466
しかしA1はワンピース(One-piece)で構成されています。つまり継ぎ目が無いのです。近年ではホールカットとも呼ばれていますね。
どちらが良いかと言われればはっきり言って好みの問題だと思いますが、一枚革の方がより繊細なフォルムを求められるように思います。
ワンピースシューズは360度どこから見ても造形の美しさを感じますね。
使用された革はKangaroo(カンガルー)。
一般的なシューズブランドではカーフやコードバンといった皮革がメジャーなので、カンガルーレザーはあまり耳馴染みないという方も意外と多いのでは?
カンガルーレザーは非常に柔らかく、そして軽く、丈夫です。
カウレザーと比較し約2倍近くの強度を持っていると言われています。
Simone Cecchetto氏は皮革に対する考えが他ブランドと比較してもいっそう強く、原料となる皮革の調達から染色、成型といったほぼすべての工程に関わっています。
その製法も特殊で、機械によるグッドイヤーウェルト製法ではなく、殆どを手縫いによるグッドイヤーウェルト製法で作り上げています。
アッパーには深く入った皺。
一般的な革靴のアッパーは新品の状態だと木型に沿ったプレーンな状態が多いですが、A1923のシューズは初めからこのような皺が付けられています。
これもすべて手仕事です。
A1923がモード系・アルチザン系ブランドの愛用者に好まれるのは、このドレープ(皺)との相性が良いからでもあるのかもしれませんね。
実は意外とそういったファッション以外にも落とし込めるのがA1923のシューズです。
染色も無機質に仕上がる科学的なクロム鞣しではなく、素材そのものの傷などが反映され、より有機的な仕上げとなるようベジタブルタンニン鞣しを採用しています。
A1923の靴に使用される素材も様々ですが、素材となった皮革が持つ表情そのものを染色などにより覆い隠す(誤魔化す)のではなく表情をより引き出す仕上げにすることで、前世が生きた動物であったことを明示しています。
素材となる動物の皮革は、製品になった後は死んだ動物の革と思われがちですが、製品となって生き続けているのです。
シューレースも手染めのものを使用。
アグレット(シューレース先端の解け防止パーツ)が錆びているのも初めからです。
パーツを付けたあとに染色を行うのでこのような錆びた質感に変化します。
A1923のシューズは、初めから錆びや傷がついたままの皮革が使用されます。
レザープロダクトの素材になるのは元々命を持った生き物の皮膚です。普段何気なく使う革製品。ラグジュアリーブランドなどは傷のない箇所だけを使用しますが、こういった素材使いにも、もととなった生命へのリスペクトを感じます。
A1923のシューズは個体差があります。
こちらのA1は表記サイズ42ですが、実際に足を入れたところ41のサイズ感が近かったです。
ECでの販売を禁止しているため試着無しで購入することの方が難しいブランドですが、古着などでご購入される方は一度実物をご試着されることをおすすめします。
最後に、このブランドの最も特徴的で面白い理念をひとつ…。
「DO NOT HANDLE WITH CARE(丁寧に扱わないで)」
ケアをするな、ということですね。
一般的には革自体にオイルの入った状態や、できる限り綺麗なままのものが望ましいのでしょう。
しかしこのブランドは違います。デザイナー自らケアすることを推奨していないのです。
とは言えどう履くかは個人の自由。どういった意味を込めてこれを印字しているのか想像が巡りますね。
近年ではGUIDIも様々なスタイルの方に愛用されていますが、GUIDI以外にも真摯なものづくりを行うブランドはまだまだ存在します。
このA1923もその筆頭でおすすめの一足です。
そしてあまり有名ではないですが、実はA1923にはアナトミカルなスパイラルパターンを駆使したレザージャケットなどもAUGUSTA時代から存在します。
2016年頃までは作っていたようですが、最近では作っていないんでしょうか…。
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A1923 A DICIANNOVEVENTITRE A1
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既に売れてしまった商品ですが、記録として残しておきたかった為記事にしました。
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